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Just Be...

2000年の時の輪に囚われた運命は、ついに解き放たれた。
役目を終えた自分の体が、仲間の体が、光に包まれていく。
あの時と一緒だった。
役目を終えた仲間たちが、光に包まれながら帰るべき場所へと戻っていく。
前の仲間たちがそうであったように、今まで共に過ごした仲間も別の次元から来たのではないかと思うことが良くあった。
そうだとするのなら、彼らもまた彼らの世界に帰るのだろう。
そして、私も。

光が強くなっていき、目の前が真っ白になった瞬間、浮かんだのは愛しいあの笑顔で。
もし、もし許されるのならば、また彼の許に行きたいと願った。





目が覚めたとき、私は見知らぬ土地にいた。
大きな湖のほとり、見上げた空には飛空船と思われるものが通り過ぎる。
体を起こし、辺りを見回すが、どうも人里から離れた場所に辿り着いてしまったらしい。
その上、どうも辺りの雰囲気が不穏であるのだ。
辺りの隠そうともしない殺気や、先ほどの飛空船が一部破壊されていたこと。
不穏だと感じる要因を挙げればきりがない。
「さて…」
飛空船の様子から察するに、あれはそう遠くない場所に降り立ったはずだ。
ならば、向かう方向は決まっている。
剣と盾を構え、先ほどの飛空船が向かった方角へと足を進めた。



どのくらい歩いただろうか。
襲い掛かるモンスターをやり過ごしながら進み続け、ようやく町を見つけることができた。
先ほどの飛空船もその横に停められており、少なくともあの町には今誰かがいるということが伺える。
ここがどこであるのかはそこで尋ねればいい。
そう考えながら進むと、町の外へ誰かが出てきた。
町には大分近づいてきており、その「誰か」の姿もある程度視認できた。



そして、その風貌に驚き、足を止めてしまった。



褐色がかった肌。
そしてそこに流れる刃のような銀糸。
空色の長いマント。
特徴的な色合いのバンダナ。

忘れるはずがない、いや忘れられるはずがない。
彼だ、あそこに一人佇むのは、あの。

それからの足の進みは速かった。
あれほど逢いたかった彼が、もうすぐそこにいるのだ。
あと少し、あと少しで…!








しかし、刹那、殺気を感じた。

その方角は紛れもなく、彼が佇む場所。
殺気を感知すると同時に、容赦なく矢がこちらに向かってくる。
この程度なら避けることはどうということがない。
剣と盾を用いて矢を弾き、立ち止まりその方角を見つめる。



信じたくはなかったが、理解はできていた。

この矢を飛ばしたのは、最愛の彼。

未だ殺気を隠そうとしない視線がそれを証明している。



武器を弓から剣に持ち替えた彼は、こちらへと間合いを詰める。
「フリオニール!」
名を叫べば、彼は目を見開いたが、攻撃の手は緩めなかった。
そのままその一太刀を自分の剣で受け止め、競り合う形になった。
「…俺の名をどこで知った?」
力は緩めず、こちらを睨みながら彼は尋ねた。
ここで確信する。
心優しい彼が、知人に向かって剣を振るうなどありえない。

この彼は、私を、知らない。





喜ぶべき再会は、何も覚えていなかった私が初めて誰かの中から消えた瞬間。
二度目の出会いに吹いた風は、火の臭いを纏った不穏なものだった。

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